水処理プラントの管理


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 故障・保守 (1 故障)

24 圧力水給水装置


圧力水タンク方式の給水設備の保守管理では以下のような注意点があります。



写真

(1)空気補充槽
長年使用していると電磁弁や空気吸い込み用の逆止弁の固着が必ず発生します。
また、写真のように材質上、経年による腐食が進行します。
これにより、タンク内の空気が抜けていきやがて給水ポンプの運転・停止が高頻度で繰り返されるようになります。


(2)水位確認用ゲージ
圧力水タンクに空気が適正量入っているか確認できるようガラス製のゲージが付いています。
しかし、1年も経たないうちに水アカが付着し、確認できなくなってきます。
ガラス管性なので取り外して清掃が簡単にできません。だいたい、割ってしまいます。
ガラス管内の掃除は取り外してブラシなどで清掃するしかありませんが、ガラス管なので 大抵取り外し時、破損させます。
なお、ゲージの付いていない圧力水タンクもあります。
メンテの必要性はなくなりますが、空気の入っている状況がわからず管理が難しくなります。

(3)圧力スイッチ
ポンプの運転停止を制御する圧力スイッチが経年劣化により故障すると、当然ポンプは運転できず。
タンク内の圧力水が抜けていくことになります。使用頻度に寄りますが10年以上経過すると交換する必要があります。

(4)空気の補充
空気補充槽等の不具合や圧力スイッチの不動作で圧力水タンクの空気が完全に抜けてしまった場合には空気の補充が必要です。
単独で設置されている場合、別途空気圧縮機を運んできて充填する必要があります。
この際、計装コンプレッサなど既設設備からの配管が接続されていれば、重いコンプレッサを現場に運ぶ必要がありません。
また、小型の圧力水タンクで空気補充槽を持たないものがあります。
通常では補充はほとんど必要ありませんが、故障などで一度空気が抜けてしまうと補充配管がないと対応は同様になります。

(5)圧力水タンク内部

圧力水タンクの内部点検は定期的に行う必要があると思いますが、30年以上行ったことがありません。
長年、処理場の管理を行っていますが、内部点検をした記憶がありません。
残念ながら必要性と基準はありませんでした。

(6)給水配管
圧力水タンクを設置せず、受水槽の開・閉で給水ポンプを運転する場合は、ポンプの追加起動時に給水配管にウォーターハンマが発生する場合があります。
ウォーターハンマで配管のサポートが外れて配管がずれ溶接部に亀裂ができて漏水したことがあります。
配管の外は一見きれいに見えますが、30~40年使用したSGP配管の内面は大変な状況になっています。

給水配管の漏水(事例)
配管でエキスパンションを使用している箇所の前後のフランジで時間とともに漏水が発生しています。
古い設備でよく発生しています。
SGP管にSUS製のエキスパンションを接続したことによる電蝕と思いますが、絶縁対策が十分ではなかったものと考えます。


写真は、約30年経過した揚水ポンプのシール水配管(回収式)の内面。
この配管は、ろ過水配管ではなく上水配管配管ですが悲惨な状態です。
その後、圧力水給水設備は更新されたのですが、どういうわけかこの配管は残りました。現在は40年以上経過しています。
当然ですが漏水や錆こぶが流れて、ポンプのストレーナを詰まらせる可能性があるため今後を心配しています。





(7)給水先
汚泥ポンプ等のシール水と洗浄水用配管を共用している処理場があり、洗浄水を大量に使用したため、シール水圧力が低下して汚泥ポンプが停止したことがあります。



ある設備の圧力給水装置の故障(事例)

圧力水装置の制御ユニットのスイッチ類が接触不良を起こし、給水装置の自動運転ができなくなりました。
装置自体は、30年近く経過しいます。

制御ユニット、電磁接触器などの部品類は過去に一度修理を行ったようです。
今回、制御ユニットの修理となれば2度目となります。 (2保守 9 維持管理の計画)

機械設備全体のの更新計画はまだありません。
給水装置の修理工事が必要です。ただ、予算措置がまだできておらず圧力給水装置全体の修理はできません。

今回の不具合が発生している制御ユニットだけの修理を行うことにしました。


ただ、メーカー修理を行うにも手続きと部品手配で2~3か月程度の修理期間が必要です。
それまでどうしようか?

ということで、仮設のシーケンス制御回路を作成することにしました。

暫定なので回路はとにかく簡単にと考えリレー(初代7個)を少なくしましたが、既設組み込み回路との整合でリレーが増えて 行き来ました。
3台目(11個)で完成し、とりあえず自動運転ができるようになりました。

なお、スイッチ類は廃材です。

写真



仮設シーケンス制御回路の動作
(1)自動・手動の号機別選択
(2)圧力L、LLの号機別選択
(3)サーマルとポンプ吐出圧低下の故障で停止
(4)受水槽の水位LLでポンプ停止。水位Lで運転再開

今後、メーカーによる修理を行いたいため、内部回路を全て撤去せず、外部に引き出して配線したため写真のような状態になりました。
見てくれはともかく機能しています。(重要)


因みに作成した仮設シーケンス制御回路






参照
制御の方法
(12補機設備 (4)圧力水の給水方式)
設計の際の検討事項 (2機械設備 20 圧力水給水設備等)
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