12 補機設備 (4)圧力水の給水方式
処理場では、処理水を有効利用するため「処理水」や「ろ過水(処理水をろ過したもの)」を処理場内で再利用しています。
使用目的としては
(1)処理水
消泡水、スカム対策用揚水、沈砂池除塵、除砂機用洗浄水等、
(2)ろ過水
汚水ポンプ及び汚泥ポンプのシール水、各設備の清掃用洗浄圧力水等
処理場によって処理水の代わりにろ過水を使用することもありますが概ね上記のような感じです。
この際の処理水・ろ過水の給水制御方式には各パターンがあります。
(1)処理水直送方式
消泡水・スカム対策水等は常時利用されているため、給水ポンプは多段ポンプ使用し、設備に合わせて連続運転します。
給水は、停止することがありません。
設備の停止に伴い手動で処理水給水ポンプを停止する必要があります。
(2)ろ過水直送方式
洗浄水は常時利用されているため、給水ポンプは多段ポンプ使用し、設備に合わせて連続運転します。
ろ過水受水槽の流入弁の開閉に併せてポンプの追加運転を行います。
同時に受水槽に給水される場合は、流入弁が開の状態信号を受け取り、ポンプの追加運転を行います。
さらに、追加の受水槽の給水を行う際に、ポンプの追加起動を行います。
この際の運転としては、
受水槽に給水される水量とポンプの吐出量のバランスが調整されて入りないと
給水配管に(1)ウォーターハンマーが生じたり、(2)逆に泡消水・洗浄水量が低下したりします。
このため、この方式では、ポンプのシール水等重要な給水には利用できません。
(3)圧力水タンク給水方式
配管の圧力変動を吸収するため、配管の途中に圧力タンクを設置した方式です。
圧力が抜けてきて圧力が「L」になると給水ポンプが運転します。
さらに、圧力が低下してL1になった場合は1台追加運転します。
一定時間警戒しても、回復しない場合は、さらに1台追加します。
(ポンプの給水量やろ過水の使用量によります。)
圧力がL2になるとさらにポンプを追加します。
圧力がHになった場合に、ポンプを停止します。
圧力がHHになると警報が出力されます。
(4)圧力タンクの内部空気の補充
水位検出により電極が水位Hを検出した場合、内部空気量が低下したと判断します。
空気量が低下すると圧力変動が大きくなり、ポンプの運転・停止が高頻で発生します。
このため、空気補助タンクで排水と空気の補充動作を行います。
内部空気圧は通常0.4~0.8MPaあるため、排水・給気回数を多数回行わないと
中々空気が補充されません。
電磁弁等の不良に空気が抜けてしまうことがあります。この際には、修理後の自動補給ではなくバルブを手動で開けて外部の加圧空気を補充します。
このため、圧力水タンクの容量が大きい場合は計装コンプレッサのエアー配管に常時接続し、いつでも補充が可能なようにします。
参照
処理水再利用設備(2 消泡設備(処理水利用)
設計の際の検討事項(2機械設備 20 圧力水給水設備等)
保守管理
(1故障 24 圧力水装置)
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