7 処理水再利用設備
1 ろ過設備
処理水を機械用水、洗浄水で使用するためにろ過する設備で水質的にはSSで2~5mg/l以下となります。
2 消泡設備
処理水を反応タンク、放流水の泡消しに利用する設備でオートストレーナ等で簡易処理した水質となります。
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下水処理水のほとんどは、そのまま河川に排水されており、多大なお金をかける割に再利用されていません。
現在の処理水質を水道並にするには、さらなる高度な処理が必要で、動力及びコストがかかることとなります。
このため、処理場のプラントを維持していくための、機械用水及び場内の洗浄水等に利用されていのが現状です。
使用量は処理水の数パーセントです。
1 ろ過設備
(1)処理水・ろ過水受水槽
ろ過機へ原水及び消泡水を供給するヘッダー管は、後年更新工事時に、処理水が停止できず苦労します。ろ過水を長時間停止できず、
苦労のあまり場合によってはそのままとなるケースがあります。建設費との妥協がありますが、受水槽内を2槽等に分割できるよう
に当初から工夫することが必要です。
また、ろ過水受水槽についても内部を分割し、構造を2槽にしておくと、後々の修理及び更新時にメンテが苦労せずにすみます。
(2)ろ過機
故障・メンテを顧慮し、2機以上を設置します。また、機械用水で使用されている関係上、ろ過受水槽の容量は、最大で使用した場合の使用量の
1日程度の供給量が確保容量できる容量とします。
(3)各ポンプ類
故障・メンテを考慮し、2台以上を設置します。また、ろ過機の予備の原水ポンプは2機で共用とします。
シールについては、グランドパッキンや無注水タイプのメカニカルシールが使用されます。
(4)原水ポンプ制御
原水ポンプは固定速ではなく流量を調整できることが内部のアンスラサイトの流出や差圧抑制で有利です。
過去、渦電流継手方式の電動機で制御を行っていましたが同方式が各メーカーで製造中止となっており、
VVVFを採用した場合、費用対効果の検討が必要かもしれません。
(5)ろ過機の保守
ろ過機は、目詰まりを防止するために定期的に洗浄工程を行う必要があります。この際、内部ろ材(アンスラサイト)の流出が多少発生します。
このため、年1回程度の点検と規定レベル以上の流出がある場合は、補充が必要になります。
なお、洗浄工程の頻度が多い場合や洗浄工程内の逆洗流量が多すぎる場合、流出量が多くなるので適正値に調整が必要です。
ろ過機設置時の試運転や年点検時に異常に減っている場合などは再調整を行います。
(6)機器の劣化
①ろ過機
急速ろ過機本体は、SUS製がいいのでしょうが、SUS製をあまり見ないので、コストが相当かかると
思われます。SS製の場合、長年使用していると内部の散水管や支持材が腐食します。処理水水質による影響もあり
処理場で腐食が進みやすい機場があるようです。10年~15年程度で内部の補修や塗装が必要となります。
急速ろ過機は空気作動弁を多用しており、長期の使用で空気弁の不動作が発生するようになります。
空気源の結露水の影響で空気作動弁のシリンダー内の腐食等が出ないように考慮します。
また、ろ過機が屋外に設置され、空気作動弁も屋外に設置される場合は、空気作動弁に防雨カバーを取り付け、
直接風雨にさらされされないようにします。経年劣化の進行度が違います。
各空気作動弁への空気配管はSUS製とし電線管はSUS管か亜鉛メッキ管とします。
ただ、空気作動弁の弁体の劣化で動作が緩慢になる場合が出てくるのでやはり10年~15年で修理が必要です。
急速ろ過器の例
(7)ろ過機の方式
上記は、急速ろ過方式のろ過機を主に説明しました。過去、勤務した処理場で他の方式のろ過機を採用していなかったためです。
このため知見が少ないのでとりあえず割愛しました。
急速ろ過機で処理したろ過水の水質が安定しており個人的には、好みですが、設備費用が高くなる傾向にあるため、
今後の更新で新方式に変わるかもしれません。
2 消泡設備(処理水利用)
消泡設備は、反応タンク・放流口の泡消しがメインでしたか、環境改善のために反応タンクが覆蓋されるようになってから
役割が減っています。
現在は、スカムの滞留箇所に対する散水や脱臭設備への散水が、メインになっているように思います。
ただ、各汚泥ポンプの引抜管の逆洗水や各池の休止時の水張りにも使用されるために、
消泡ポンプの容量には常時使用量と臨時の使用量、その他の利用水を考慮した容量の検討が必要です。
(1)散水ノズル
反応タンクの散水ノズルは水垢で詰まるために、定期的に清掃が必要で手間がかかりましたが。覆蓋で使用頻度が低下したため
軽減されています。
(2)逆洗水
初沈汚泥引き抜き管や終沈汚泥引き抜き管の閉塞除去用水として利用されています。
また、同配管を利用して各池の池の休止中に処理水を溜めるなどに利用されます。
(3)スカム対策
導水渠・調整槽などスカムが溜まりやすい箇所のスカム除去用に使用しています。作業環境が悪いため清掃作業が軽減できるように、
散水ノズルは大きめのものを使用します。
(4)ろ床脱臭
ろ床の散水用はろ過水ではなく処理水が利用しています。
(5)散水部材
配管類は、雰囲気のよくない箇所に施工されるため、SUS部材とします。
参照
設計の際の検討事項(2機械設備 20 圧力水給水設備等)
制御の方法(2機械設備 1 圧力水の給水方式)
保守管理(1故障 24 圧力水装置)
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