8 調整槽設備
1 汚泥調整槽の分配制御
通常、調整槽が複数設置されている場合は、分配槽が設置され、越流ゲートにより各槽に均等に分配するようにしています。ただ、分配槽は、
密閉構造にできないため臭気の発生源になります。これを改善するための手法として分配ヘッダー管を設置し、密閉した場合の制御方式が有効です。
(1)投入比率一定制御
汚泥調整槽への投入比率を一定に制御します。流量が一番でない弁を
(マスタ弁)として制御します。
(2) 制御を行うのに必要な要件
①構造 エア弁 汚泥調整投入弁
②計装 各汚泥調整投入量
(3) 評価
調整汚泥設備は、臭気(ほとんど硫化水素)濃度が高く周辺に漏れると環境悪化の原因
になります。また、機器、コンクリートの腐食もあります。できる限り密閉されること
が望ましい設備です。今後は、積極的に採用されるべき方法と思います。
2 汚泥調整槽休止制御>
各汚泥調整槽の休止時の設定を行います。
①汚泥調整投入弁 全閉
②汚泥掻き寄せ機 停止
③調整汚泥引き抜き弁 全閉
④汚泥調整槽洗浄水弁 全閉
3 調整汚泥ポンプ
汚泥調整槽から汚泥を引き抜きます。引き抜き方に以下の制御があります。
(1)流量一定制御
運転時間、停止時間、引抜流量の設定を行い、サイクリックにポンプを運転します。
(2)プリセット制御
プリセット量の設定により1日(1440分)周期で目標流量(m3/分)を演算し、引き抜きます。
汚泥貯留量を勘案し、各調整槽の引き抜き量を個別に設定可能とします。
(3)濃度一定制御(固形物一定制御)
引抜濃度計の濃度(移動平均)が設定濃度になるように引き抜き流量をが増・減ます。増減しすぎないように
流量下限、上限を設定します。
(4)界面一定制御
汚泥界面計の界面レベル(移動平均)が設定レベルになるよう引き抜き流量を増・減します。増減しすぎないように
流量下限、上限を設定します。
(5)制御を行うのに必要な要件
①調整汚泥ポンプが速度制御が可能
(固定速でも可能ですが、連続運転の自由度が低下します。)
②計測値 余剰汚泥流量、調整汚泥濃度、界面計
③調整汚泥引き抜き弁が開閉制御可能
④(汚泥ポンプの制御)
参照してください。
(6)評価
汚泥調整槽の汚泥界面が上昇して、オーバーフロー(汚泥循環)しないように適宜汚泥の
引き抜き量を変える必要があります。プリセット制御で管理可能です。濃度まで管理する濃度一定制御は
可能ですが濃度計の管理がネックになります。界面計により、引き抜き量を変える制御もありましたが
こちらも界面計のメンテナンスがネックとなり、現在ほとんど採用されていません。
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