3 沈砂池設備
1 流入ゲート設備
幹線から流入する下水を遮断するゲート。沈砂池の機器メンテ等のために使用します。
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(1)ゲート操作
大雨時、ポンプ能力を超える流入下水がある場合は緊急的に沈砂池の冠水を避けるために開度を調整
しなければならない時があります。
(2)腐食対策
腐敗性ガス(硫化水素)によるゲートの腐食が発生ます。頻繁にメンテする必要はありませんが、点検
開閉を毎月1回程度行わないと固着するケースが発生します。
特に開閉を行いづらいゲート(避越ゲートなど)は、計画的に年4回程度をめどに開閉を検討する必要があります。
(3)ゲート修理
ほとんどのケースで流入下水を停止させることができません。 このためゲートの修理は、大がかりな仮設を
必要としたり、作業環境が極度に悪いため、当初の施設計画時から修理を想定した構造としてほしいものです。
大概の場合、施工に苦労するのは、機械設備は、コンクリート並に長持ちすると土木屋さんが考えているからかもしません。
2 粗目スクリーン
幹線から流入してくる大きな異物を撤去するために使用しています。
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3 除砂設備
幹線から流入してくる砂、コンクリート破片等、沈砂池で沈殿させた砂分を除去する設備です。
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(1)砂の流入
分流では砂分の流入が少ないために大がかりな除砂機を省略している場合がありますが、合流・雨水幹線では大雨で
多量の砂が流れ込んできます。
砂は、一様に流入してくるのではなく幹線内に砂だまりを作りながら移動してくるため
一気に沈砂池に流入してくる場合があります。
この際にも設備が埋まらない構造に設計することが必要です。
過去の揚砂設備の変化
①I型揚砂機
I型バケットコンベヤ式走行揚砂機。水路間を移動しながら揚砂を行います。人が操作室に乗って操作する必要があります。
沈砂水路が開放しているため、臭気が発生します。
②T型揚砂機
I型のバケットコンベヤをT型に改善した揚砂機。I型に比べ天井を低くできる。
沈砂水路が解放しているため、臭気が発生します。
③バケットコンベヤ式揚砂機
水路内に固定されたバケットコンベヤで揚砂を行います。
覆蓋されており、臭気が漏れづらい。
④昇降式バケットコンベヤ式揚砂機
水路内に固定されたバケットコンベヤが砂で埋没しないように改善した揚砂機。
⑤揚砂ポンプ方式
水路内に揚砂ポンプ(ジェットポンプ、真空ポンプ含む)を設置して揚砂を行います。
バケットコンベヤ式に比べ、メンテを行いやすいが、揚砂効率が悪く、大量に沈砂が入ってきた場合に対応
できません。個人的には砂の流入が少ない分流下水以外は推奨できません。
現在は、ほとんど④、⑤が使用されていると思います。
(2)分流幹線
分流幹線でも、誤設により、雨水分が流入することにより、砂分もかなり流入してきます。
分流の定義に固執して、雨水が流入しないことで貧弱な揚砂設備しか設置しなかったり、除塵機の後に除砂機
を設置すると設備の運用上問題になるケースが多々あります。
揚砂設備の前に除塵機が設置されている場合、下部スプロケットが砂に埋まったり、砂利が噛んだり、後々の管理に苦労します。
(3)腐食対策
設備は腐食性ガス(硫化水素)の影響を受け、機器の腐食が進行します。腐食に強い素材をベースに
機器を製作することが重要です。通常の鋼材で製作すると塗装頻度が腐食速度に勝てません。
ステンレス鋼材や亜鉛どぶ漬け部材を多様することでトータルコストは安くなります。
補機についても、機器洗浄の際、利用する電磁弁は、錆による固着が発生しやすいので、ステンレス製の電動弁と
することが保守の頻度が下げられます。
(4)制御機器
沈砂池周辺には除砂機用の電子センサー、制御回路等電機部品を設置すると、腐食性ガスにより使用不能
になるケースもあります。配置場所、構造等の工夫が必要です。
(5)設備の保守
管理していると、機器の点検口が適切に配置されていないのに気づかされます。機器が大型になると、点検口
が壁面に近かったり、他の機器の下部に来たりとなかなかアクセスに苦労します。点検口は多めに、大きめに配置し
部品交換に支障を来さないようにしてほしいものです。
4 除塵設備
流入してくる汚水及び雨水に含まれるゴミを除去する設備、粗目スクリーンを通過してきたゴミを除去しています。
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(1)腐食対策
こちらの除塵機も除砂機同様、腐食ガスにより設備の腐食対策等が必要です。
(2)除塵搬送設備
除塵機が取り除いたし渣の運搬にはベルトコンベヤやフライトコンベヤが利用利用されていましたが、し渣圧送ポンプ
が利用されるようになりました。どちらも一長一短があます。
①コンベヤ方式は、維持管理、設備の腐食、臭気で問題があります。
②圧送ポンプ方式は、臭気等が発生せず、保守箇所は減りますが、詰まった場合に自分たちで対応できない場合があります。
また、落ち葉が多いと圧送効率が落ちてなかなか圧送できない場合もあります。
個人的には、耐腐食性の部材で作られたコンベヤの方が有利と考えています。
5 脱臭設備
処理場における臭気対策は重要です。
下水臭気が周辺地域に漏れると大きな問題になる場合があります。
(1)沈砂池脱臭設備
通常、流入量が少ない場合は、活性炭による脱臭のみでよいのですが、流入下水によっては硫化水素臭が高い場合や
調整汚泥のオーバーフロー水が循環している場合もあります。
処理水を利用したろ床式による洗浄方式にしておくと臭気濃度が高い場合に活性炭の破過現象を防止できます。
(2)脱臭設備の設置場所
沈砂池床面ではなく。水没を避けられる場所に設置します。
(3)脱臭ダクト関係
一部水没しダクトの水が吸い出される際、角型のダクトはつぶされる場合があります。丸型にしておく方がよいでしょう。
6 覆蓋
沈砂池、除砂機、除塵機から発生する臭気を対策のため、開口部は覆蓋されています。
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臭気対策は、重要であるため覆蓋されていない機場はないと思います。ただ、
沈砂池は水没することがあるため、流されたり、水路に吸い込まれたりすることがあります。
部材や設置方法の検討が必要です。
7 床面の排水
沈砂池床面は水勾配や機器の配置を考慮し排水溝や排水孔の位置を適切に配置します。
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沈砂池床面は、機器のメンテやし渣の除去で洗浄を頻繁に行うため、排水が適切でないと鋼材の腐食を促進させ機器の劣化を早めます。
床面の溝切り、勾配、排水溝は、機器配置後再確認を行い。追加措置が必要です。
8 照明器具
沈砂池に機器が設置されると、大概照明器具の配置が問題になります。新規・更新に関わらず、照明器具は先に設置されているので
機器配置が、考慮されない場合があります。当初の設備設計では、照明設備は軽視されるため漏れることとなります。
しかし、維持管理では、非常に重要で、後に照明器具の増設を行わなければんらないケースがほとんどです。
当初設計から照明設備の移設、増設(投光器など)を計画しておくことが必要です。
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