水処理プラントの管理


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  設備 (補機設備)

12 補機設備


(3) 脱臭設備

処理場内で発生する臭気を処理する設備です。臭気の濃度により活性炭式、ろ床式+活性炭等があります。


下水において臭いの処理は、難問です。従来、周辺に建物がなかった土地に処理場が設置されていたはずですが、 時代とともに、気がつけば直ぐ近くにマンションが建っている状態です。
臭気は、一度漏れ出すと回収できません。一度、濃い臭気が出てしまうと、次回から少しのにおいでも臭気が気になる住民が出てきます。


(1)臭気は、まず発生させないように、密閉、負圧とし、滞留させない。下水・汚泥等を槽に貯留させる際に水面上部から落下させない工夫をが必要 です。


(2)臭気の性質を知り、濃度が高くなる場所では、ろ床式脱臭装置を検討します。
活性炭式は低濃度にしか対応できません。臭気が少しでも高いと想定された場所ではろ床式を考慮すべきです。
都市部での臭気対策は重要な管理目標であるため、下水の脱臭に関しては実績から以下の方式が推奨されます。

①沈砂池、最初沈殿池 →ろ床式+活性炭式
ろ床散水に常に新しい処理水が利用できれば、苛性ソーダで中和の必要性はありません。

②反応タンク →活性炭式

③汚泥調整槽 →ろ床式+活性炭式
臭気が濃く、ろ床内の微生物による積極的な脱臭が必要で内部液で循環させるため、苛性ソーダが必要です。

(3)脱臭ダクト類
脱臭ダクトは、角型ダクトではなく丸型ダクトを使用すると以下の点で有利です。


①ダクト類は、強酸性の結露水の腐食対策のために塩ビ製を使用します。ただし、壁貫通など防火区画ではどうしても金属製が必要になります。 硫化水素系だとSUS製(316)も腐食します。工夫が必要です。

②丸型ダクト沈砂池脱臭ダクトでは水没してダクト内に水が入り、吸い出される場合につぶされない(厚みは必要です。)

③脱臭ダクトの継ぎ目からは、強酸性の結露水が漏れ出る場合があります。ダクトにドレンを取り付ける必要がありますが、 丸型ダクトの場合、底部に結露水が集まっているのでドレン管を取り付けるとドレンを行いやすくなります。 また、ダクト全体を若干傾斜させるなど内部に結露水がたまらない工夫が必要です。




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