フローリレーユニット
1 改善
(1)主配管及び枝管の材質はSUS製にする。
(2)電動弁及びフローリレーの材質もSUS製とする。
(3)流量の確認方法の改善
2 検討
(1)ステンレス製部材を採用
初期費用は、高くなりますが、修理工事等なかなかできない
環境では、後の故障の回避に大きな効果があります。
主配管など、どこまでステンレス製にするか等、費用と検討すべき
点はありますが、可能な限りステンレス製を推奨します。
配管類、仕切り弁、フローリレー、電動弁など
(2)電動弁・電磁弁の選択
電磁弁の動作は錆の影響をより受けやすく、開閉のリミット
をとれません。
コスト面の差がそれほど無いので通常であれば電動弁を採用
すべきです。
(3)流量の検出
フローリレータイプのこの方式が多数採用されています。ステンレス製にすることにより
錆は回避できますが、水あか、スケーリングは避けられません。
他にいい方法は無いものでしょうか。
(4)流量の把握の必要性
通常、水道用流量計を取り付けているか、フローリレーの
サイトで把握できますが、毎分量を常に把握できれば
ポンプ運転時にも管理を行いやすくなります。
個人的には、電磁流量計が好きですが高価です。重要な主ポンプ等
に設置しても良いと思いますが、パルス出力付きの水道メータで
流量を計算して、毎分量を出す方式でもかまわないと思います。
電磁流量計を使用することができれば、フローリレーはやめて
流量信号の警報設定器で通水確認ができるようになると思います。
(5)その他
配管がステンレスになってサビ等の異物がすくなくなってもストレーナは必要でしょう。
ただ。Y型ストレーナなど小型を避けて大型の複式のストレーナを使用すると、保守頻度を下げられ分解清掃などメンテが楽になります。
3 故障検知のアラームメッセージ
フローリレーで断水を検出した場合、ポンプの中央監視へのメッセージが異なるケースがあります。
ポンプの運転中に断水が発生すると全ての機場では「断水」のメッセージを表示し、ポンプ(一部セラミック軸受ポンプを除く)
は停止します。
しかし、始動中に断水が発生した場合は「断水」ではなく「始動渋滞」とメッセージが出力されポンプは始動しません。
「始動渋滞」、「断水」とも表示される機場もあるかもしれませんが、未確認です。
始動渋滞の故障にはいくつかの故障があり、「断水」故障だけとは限りません。
ポンプの「断水」故障による始動渋滞の発生頻度が高いため「断水」のメッセージを追加すべきと考えます。
4 無注水化の現状と今後
各種ポンプの無注水化
(1)汚泥ポンプの無注水化
(2)主ポンプの潤滑水の無注水化
が行われています。
汚泥ポンプは近年シール水の無注水化が進んでいます。
無注水化は、シール水関係のトラブルから開放してくれます。
ただし、保守が不要と言うことではありません。
メンテナンスフリーではありますが、無注水のメカニカルシールで漏水が発生すると調整できる部分はありません。
ポンプを分解し、部品交換を行わないと修理ができません。
ポンプが小型の場合は、自分たちで修理が可能ですが、大型になってくると
自分たちで修理は困難です。また、できたとしてもなれない作業のため修理に多くの労力と時間を必要とします。
このことから、一概に無注水がいいともいえません。
やはり、稼働時間(運転年数)の問題でしょうか。
大型の縦軸斜流の汚水ポンプについては、軸受にセラミック系の材質を使用し、潤滑水が不要と
しているポンプがありますが、軸のシール水で無注水にしているポンプはあまり見かけません。
また、過去、出始めのころ初期不良がありました。実績としてどの程度軸受がもつのか。まだ未知の部分があるように感じます。
無注水ポンプの採用メリットを実感できる交換時間はどの程度かを考えるとき合理的なのでしょう。
個人的な実感では、2台のポンプを交互運転した場合は、約10年程度、1台連続で5年以上は
部品が持ってほしいように思います。(当然長い方がうれしい)
もちろん、シール水にろ過水ではなく上水を使用しなければいけない施設もあるのでこの際の選択は
無中水タイプのポンプが有利と思います。(主ポンプの回収式を除く)
今後も新しいポンプの無中水化と寿命の延長は続くと考えるとフローリレーユニットの役割は
限定的となるのかもしれません。
参考:故障・保守編(フローユニット)
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