10 雑排水ポンプの故障
雑排水ポンプといわれるポンプ設備は、地下構造物を有する下水処理場には数多く設置されています。
また、設置後、稼働率が低いため、長時間使用される傾向にあります。
十年単位でそんままという排水ポンプも多数存在します。
このため、過去何回も故障対応に当たりました。
水中ポンプ、制御回路等、構造が簡単な設備ですが、数が多い分、故障が多くなるので以外とメンテに労力がかかります。
過去の故障の例から
①逆止弁の故障
(1)固着
月に1度、先発号機の運転替えを行いますが
かなりの頻度で発生します。点検口を開けて、錆を落とすだけで直る場合もありますが
たびたび発生する場合は、分解修理を行います。
以外と手間がかかります。
(2)腐食破損
年数を経過すると、腐食で破損したものが出てきます。分解修理ができないので、購入修理となります。
希望としては、逆止弁は弁体等の要部SUSではなく全てSUSを希望します。
②配管の腐食
水質が良くないので、腐食が発生します。デブコン、レクターテープ(商品名)で
一部補修可能ですが、全体にわたる場合があるので
逆止弁と同じく、SUS製を希望します。
③ポンプの故障
(1)浸水検知、絶縁抵抗低下
運転時間により、シールが劣化するため、分解修理が必要です。
分点頻度の高いポンプは定期的にメンテを入れる必要があります。
(2)本体腐食
使用頻度が低く、長期に水没している排水ポンプはケーシングが腐食してくる場合があります。
こちらもSUS製を希望します。
④排水ピットの堆積物
異物が詰まることがあるため、堆積物の多いポンプピットは定期的な、除去必要となります。詰まるとポンプの引き上げが必要で以外と大変です。
⑤電極
排水ポンプの制御は水位を検出する電極を利用しています。
電極にまつわるメンテもかなりの頻度に上ります。
(1)蜘蛛の巣
ピットに蚊が発生するとそれを餌としたい蜘蛛が巣を作ります。巣に湿気で水滴が付くとポンプが誤動作
(2)落ち葉やゴミが付着
落ち葉や表面に浮くゴミで誤動作します。以外と多い、ピットに落ち葉よけの網をかけたことも。
(3)電極にカルキ分が付着
電極表面にカルキ分がくっつき導電性が悪くなる場合がありました。サンドペーパーでひたすら磨く
(4)電極の汚れを軽減する保護被覆の影響
施工企業が気を利かせて、落ち葉やゴミの影響をなくすため保護被覆を付けたのですが
付けすぎたために導電性が悪くなり、ポンプの運転が不安定になった。
その場所は、雨水用だったため、大雨の日に不安定な動作をしていました。
原因調査で、ろ過水の雑用水をためて試験を行ったときには正常に動作。当初原因が不明でした。
最終的には、被覆の付けすぎと判明したため、被覆をはがしました。
なお、ろ過水と雨水で導電性が10倍ぐらい違うことがわかりました。
(5)電極のメンテが多くなると電極ホルダーにヒビが入り欠ける。
上記、作業を繰り返しているとホルダーがプラスチックなので欠けます。
ある程度の予備品(オムロン製)が必須となります。古い予備品と最近の予備品を比べると作りがさらに簡素化されて
弱くなっている気がします(個人の感想)。
(6)なお、浮遊物が多くもともと電極式が向かない場合もあるのでその際は、フリクトレベルスイッチを使用します。
制御回路は、ほとんど変更の必要はありません。
⑥制御回路の故障
61フロートなしリレーの接点の接触不良
排水ポンプの不安定な動作で発生しています。電気の場合、部品交換を行って正常になったら
このリレーで間違いないとなるのですが、接点を見たことがないのでなかなか釈然としません。
とりあえず、予備品がないと
Hレベルの頻度が高いため、HHと交換したりします。
再現性があったり、なかったり、故障調査で時間がかかります。
予備品がある場合は、全て交換します。
(雑排水ポンプの制御回路参照)
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