(3) 反応タンク
1 曝気風量制御
反応タンクの水処理が適正に行えるように、以下の制御で送風量の調整を行います。
(1)風量一定制御
設定された風量設定値と実風量の偏差に従い、反応タンク風量弁の制御を行います。
(2)DO一定制御
反応タンクのDO値(溶存酸素)を、一定に保つための制御です。
DO設定と実測DO値を比較し、その偏差に従ってPI演算して、各反応タンクの目標風量を決定し、
目標風量と実風量の偏差に従い反応タンク風量弁の制御を行います。
制御の応答性を上げて風量弁の操作が早すぎると送風機に異常圧がかかることになります。風量弁の制御
周期は30秒~40秒を目途とします。最適な制御定数にチューニングするにはかなりの時間を要します。
場合によっては、春夏秋冬の変化に合わせるために1年程度かかる場合もあります。
(3)空気倍率制御
反応タンクに流入する流量に対して、設定された倍率で空気量を決定し、
これを目標風量として風量弁の操作を行います。
(4)制御を行うのに必要な要件
①計装1 反応タンク流入量、反応タンク風量
②計装2 水質計器 DO計
③構造1 エア弁 反応タンク風量弁
④構造2 高度処理の場合 攪拌機、循環ポンプ
(5)評価
反応タンクの制御は現在DO一定制御が主流です。昔は、不安定なDO計より、反応タンク流入量に合わせた
空気倍率制御(雨の日は固定値)がいいのでは、と考えたこともありましたが、省エネを考慮するとDO一定制御を
とらざるを得ませんでした。
DO計の設置場所から反応タンク全体のDO値を表してい訳ではありませんが、水質検
査を適宜行うことにより、DO変化に対する精度を担保しています。DO計の保守が適正でないと送風機の省エネに
直結するため、管理が重要です。なお、浸漬形DO計は洗浄や校正の取り扱いに注意が必要ですが、最近設置されている蛍光
式DO計は取り扱いがより簡単になっています。
2 反応タンク流入制御
各反応タンクの処理に合わせて流入量を制御します。
(1)比率一定制御
系列あたりの反応タンク数の分配比率を一定にする制御を行います。流入弁による流入量比率は
(マスタ弁)
制御となります。
(2)最大流入量制限
反応タンクに最大流入量を設定値に制限することにより超過する流量を簡易処理水として流出させます。
通常、時間最大流量Qsを設定します。
(3)制御を行うのに必要な要件
①計測値 反応タンク流入量
②エア弁 反応タンク流入弁
4 返送汚泥投入制御
(1)比率一定制御
返送汚泥流量を反応タンク流入量に比例するように決定し投入弁で制御します。各投入弁が開度小になる
と圧損が出てしまうので、(マスタ弁)
制御により投入制御弁開度を決定します。
(2)制御を行うのに必要な要件
①計測値 返送汚泥投入量
②エア弁 返送汚泥投入弁
5 攪拌機制御
(1)タイマ(時刻)制御
高度処理、嫌気槽、無酸素槽で汚泥が沈殿しないように攪拌機を周期的に運転します。
6 反応タンク休止制御
各池のメンテナンスを行うため各池の休止制御を行います。
休止時の対応
①反応タンク流入弁 全閉
②返送汚泥投入弁 全閉
③風量弁 全閉
④帳票データ定数自動変更
|