(2) 最初沈殿池
1 初沈汚泥ポンプ制御
(1)タイマ制御
各池から周期的に汚泥の引き抜きを行います。ポンプの運転は固定速状態となります。可変速ポンプを利用する場合は
固定する流量を設定します。
(2)プリセット制御
各池の引き抜きはバッチですが、一日の引き抜き量を設定し、ポンプは連続で平均して引き抜きができます。
各池の引き抜きは、比率を変えることにより変更可能です。
(3)濃度制御(又は固形物引抜制御)
汚泥引抜量(目標値)を汚泥引抜濃度(固形物)で補正する方式で、初沈引抜汚泥の濃度による詰まりを防止するこ
とも可能で降雨時等の濃度上昇時に引き抜きを増減するための制御方式です。なお、ポンプの流量を下げすぎない
ように、また上げすぎないように上限値と下限値を設定する場合もあります。
過去、引き抜きピットの汚泥のたまり具合の検知に汚泥界面計を設置し制御に組み込んでいましたが、界面計のメンテの頻度と
制御の必要性から現在ほとんど設置されていません。
2 制御を行うのに必要な要件
①計装 初沈引き抜き電磁流量計、濃度計(スパン0~5%程度)の設置。
②構造1 初沈汚泥汚泥ポンプの速度制御装置設置(VVVF等)。初沈汚泥は砂分が多いので多少費用が上が
りますが、後の保守(詰まり、インペラ摩耗)を考慮し、低速回転のポンプ・電動機を設置すべきです。
③構造2 汚泥引き抜き弁(エア弁設置)、開・閉のリミットスイッチ取り付けが必要です。
④構造3 固定速ポンプを設置してもある程度の制御は可能ですが、引き抜き量を減らした場合
各池の引き抜き間隔が長くなる等の弊害が生じるので速度制御装置を設置した方がベターです。
特に濃度制御の場合は、濃度のサンプリングが難しくなるのでできる限り連続運転が望ましい。
⑤構造4 (汚泥ポンプの制御)
参照してください。
3 評価
通常であれば、プリセット制御で十分ですが、合流処理場の場合、大雨時の砂分が多いことがあり、初沈汚泥
ポンプの引き抜き量が一定だと、初沈汚泥が濃くなりすぎて閉塞する場合があります。この場合は、濃度一定
制御に魅力を感じます。
4 初沈休止制御
各池のメンテナンスを行うため各池の休止のための制御を行います。
①引き抜き弁の全閉
②掻き寄せ機の停止
③スカムスキマの停止
④日報上の自動修正
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