水処理プラントの管理


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 雑談 (4 社会)

4 組織の劣化


1 現状の組織

組織で仕事をしていると、いろいろ問題点に気づきます。
(1)設備関係
(2)人間関係(待遇含む)
(3)組織関係
(4)手続き関係
その都度、解決すべき部署は一応存在します。



(1)設備関係
処理場の場合、設備関係については、通常業務なので改善すべき 組織と対応が整っています。
機械を点検する⇒機械が壊れる⇒修理工事を行う⇒機械が古くなる⇒更新工事を行う 通常に仕事をすれば、解決できます。
ちょっと、エネルギーを出せば設備の大きな改善も可能です。

(2)人間関係(待遇含む)
人事委員会だったり、組合だったりと解決できるかは不明ですが一応存在しています。

(3)組織関係
法律が変わったり、対応する問題やイベントが大きくなると、組織変更を伴います。 これは、トップダウンを伴います。

(4)手続き関係
法律や条令など規則、通達が変わると従来の仕事のやり方が変わったりします。 大幅な場合は、組織上の増員などがあります。

しかし、組織的な運営の部分は、ほとんどの職場で改善されることはありません。
職員の待遇など組合的な要素の解決策はそのような協議の場が存在しますが、組合でも組織の増員要求はあっても業務改善の再配置について提案されることはほとんどありません。


2 組織改善の難しさ

現状の組織で改善を提案を行う場合、以下の難しさがあります。
(1)人員が配置されている場合、余剰人員ではなく必ず仕事があるから配置されています。
組織改善は通常業務を行いながら、改善案の検討・資料の作成を行わなければなりません。
(2)組織の枠外に出る改善案の場合、上司を説得していく労力は相当なものとります。
直属の上司を説得できなければ労力が水の泡となることもあります。
(3)改革案が大きいほど、組織上の幹部を次々説得するなど、障害は山のようにあります。
(4)管理・責任職は3年程度で異動するので長期の思考はできません。


3 組織改善の必要性

日本には、お金の見直しの会計検査があっても、組織を網羅的に見直す組織は貧弱です。 企業では、業績があるため、組織の見直しは必須となります。
ただ、T芝、M重工、Tヤタ、M電機、M銀行など過去安定していた 大会社は、公務員と思考形態が非常に似ているのでは?と推測しています。
新聞に出てくる会社のゴタゴタ、検査偽装、システム障害は、社員の改善へのエネルギーの低下を感じますが 社員の熱量だけでは、改善できない問題を含んでいます。

(1)T芝・M重工
 問題を感じても、組織の壁を破れない。
(2)M電機・Tヤタ
 製造品質から無駄な検査・過剰検査と考えながらも、業界として法令を改正できないので、 惰性・手抜きを伴う作業へ変質している。
(3)M銀行
 システムを維持していく人材が確保できず、その責任も曖昧なため、システム全体の機能も把握できなくなっている。

各責任者の思考が変わらなければ、組織は変われません。組織はやはり残念ですが、トップの影響を大きく受けるのです。
また、組織形態を変えないかぎり、トップの能力に大きく左右されます。 現在のピラミッド型の組織は、建前上(建前上^2)、各階層で優秀なもの(ベスト・アンド・ブライテスト?) が選抜されることを想定したているのです。

当然、その想定がくずれれば組織がちぐはぐなものとなります。
「だめな上司」(だめの評価は難しいが)に評価される不平不満がでてきます。
「愚痴をこぼす前に一生懸命仕事を」という言い分もあります。
自分に対する上司の不公平感(実態は不明?)を組織の不合理に置き換えて愚痴としてこぼしている社員が、意外と仕事をしていないことも確かにあるかもしれません。
しかし、多くの社員・職員の意見を代弁している場合もあります。

現状の組織を制御で考えると、たぶんフィードバックのほとんどないプラントなのでは、と考えられます。
「お金の使い道」(会計監査)については毎年検査を行い、トップに報告します。問題点、改善要望が出ます。
しかし、その業務自体に改善すべきものがないかを問題にすることはほとんどありません。
「組織業務の見直し」について、現状、組織の改善を目的とする組織(業務監査)がないわけではありませんが、組織的に貧弱(個人の感想)で組織の改善にたいしてほとんど機能していません。



このために、業務改善を目的とした組織作る場合は、
(1)「業務改善」であって「業務検査」にならない注意が必要です。日本的には必ずこの検査的要素が入ってきます。 あくまで、
「改善が目標」で、改善にならない場合はその原因を現場と共に検討します。
会計検査と同じように、トップダウンとすると積極的な改善に繋がらず、本来の現場の改善という実効性が上がりません。 業務検査のようなものになるのが一番の問題です。

(2)改善案は、解決できる範囲が局・部・課に直接提示し、トップダウンとしない。あくまで、一緒に考え改善する組織運営とします。
マイナーループを作ることにより、業務制御系の応答時間が早くなります。
つまり、改善が目に見える形となります。

(3)改善に繋がれば、他職場への水平展開を上位の責任者にアドバイスします。

(4)改善案に固執しない。運用後、現場に合わない場合や時間的経過により現場にそぐわなくなる場合があります。 固執するとさらなる改善ができなくなります。定期的に現場と情報交換を行い現状把握を行い改善します。

4 組織改善の実行性

業務改善組織の問題点は、会計検査と違い、業務改善基準が明確ではないので改善ノウハウが必要です。
このため、
(1)現状の問題に対し他の自治体の訪問調査、企業の調査を積極的に行い、うまくいっている事例、いかない事例(話さないと思いますが重要)を収集 分析します。
(2)組織改善の担当者の考え方が重要になります。
実務の優秀さはあった方がいいように思いますが、個人的には「改善したい熱量」があればいいような気もします。
(3)組織的に成功させるために、業務改善の一番難しい点は「トップの熱量」、最終的な責任者の判断が最も重要となります。 この呪縛から逃れるすべはありません。

組織改善のイメージ



この話は、机上の空論で、現実的に成功した事例はありません。
どうも日本人のメンタリティーにとらわれたなかでは、実行性をあげられるか不明です。組織を作ったとして実を上げられるか。 面倒くさい組織が一つ増えただけになる可能性もあります。

企業がトップに外国人の社長をリクルートするのは、ある種日本人の思考にとらわれた改革しか できないことに対するアンチテーゼだと思います。

(1)トップが健全で前向きの組織は、順調な組織に業務改善が必要なのか?
(2)トップ・管理者に問題があれば、そもそも業務改善が前進するのか?
(3)業務改善の組織は、組織内でコストペイするのか?
問題の堂々巡りが発生します。

ただ、組織も生き物です。トップが健全で前向きな時期もあれば、そうでない時期もあります。 時間が経過し、人の入れ替わりもあります。組織形態を変えておけば、不運なトップに変わっても健全さの延命措置としての役には立つかもしれません。




           
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