3 人間関係は難しい
「全ての問題は、人間関係である」と心理学者のアドラーは言っています。
どの社会、職場においても人間関係は重要です。また、やっかいです。
ロビンソンクルーソーに人間関係は、存在しません。しかし、二人になれば必ず人間関係は存在します。
学生時代は、気の合う友達を選ぶことは可能です。合わないと友達とはなりません。
しかし、仕事・職場は、違います。気が合う、合わないに関係なく付き合わなければいけません。
若いときは、職場で、人間関係がぎくしゃくして、早く職場を異動したい。中には、やめたいと思うことが
多々あります。
かなりの歳になるまで、明確な対処法は私もなかなか気づきませんでした。それを、気づかせてくれたのが、パワハラ上司でした。
異動した職場には有名なパワハラ上司がいました。このときは、さすがに「いつでもやめます」のスタンスで職場に出勤していたのを思いだします。
まとめ役として仕事の運営・手配を担当しており、いやでもこの上司と対峙することが数多くありました。
さらに、プロジェクトで一緒に会議に出席するため、2名で行動するときもありました。
仕事の進め方で、上司が爆発するときがたびたび有り、今では懲戒に当たりそうなぐらいの暴言を吐いていました。
当時の組織にパワハラに対する規定が無く、野放し状態でした。今は、かなり改善されています。
当時、調べたが限りでは、パワハラに対峙するには
(1)耐えられるなら我慢する。
(2)個人で、担当部署に改善を求める。
(3)職場の同僚の強力な賛同を得て、担当部署に改善を求める。
(4)職場を去る。
ぐらいでしょうか。どれも決め手がありませんが、(3)がベストのような気がします。
多くの場合、
(1)の我慢をしているのではないでしょうか。
(2)で改善してもらえばいいのですが、上司の影響が大きいと、教育的指導と解釈されるとなかなか部下の意見を聞いてくれる会社は少ないでしょう。
(3)の同僚の賛同を得て、関係部署を動かすのがベストですが、みんなの思いが強力に一つのベクトルになることはなかなかありません。
組織で仕事をしていると致し方ないのですが、自分に不利益があると感じる人もいたと思います。
(4)は、個人的に敗者のイメージがいつも付きまとい、次の職場で少しでも似たようなことがあると直ぐやめてしまうことになります。
この職場では、(3)がかなり奏功し、少しましになったように感じました。
組織内で問題になり、パワハラ研修を各職場で行う指示が来たのですが、この職場のパワハラ上司が、パワハラ研修を行ったことは
冗談のようですが、実話です。
個人的な分析(全てではないが)では、パワハラを行う人は、小心者・心配性のひとが多いような気もします。
この上司は、いつも「何かあれば俺が責任をとるから、悪いニュースは早く連絡しろ」と言っていました。
しかし、当方には「俺に心配をさせるな、俺に迷惑をかけるな」と言っているように聞こえました。
1年経過し、この上司とつきあえるようになったのは、情報のコントロールの悪知恵が付いたからです。
連絡する情報の2元化を行いました。
(1)上司に上げる情報を制限
ただし、重要な情報、費用が発生するものは直ぐばれるので除外しました。本質的に費用のかかる故障は、先延ばしできません。
(2)点検・調整できる故障等を判断し、連絡しない。
ただし、職員間の情報共有が必要なため、2重帳簿を作成しました。
これにより、数多い故障が少なくなり本人は安心できるようになったようです。
ただ、職員の中には、連絡しないのは問題では、と疑問を持つ職員も当然いました。これに対して自分も腹を決めていたので、
「全て私の発案としてください」と説得していました。
人間関係は、食事と似ているように思います。好きな料理で同じものばかり(気の合う仲間と付き合うだけ)を食べて、偏食していれば栄養価が偏り、
後に病になる可能性が高くなります。
まずいのもの(パワハラ上司を含め)、嫌いなものをたべ栄養バランスの幅を広げることが重要です。
ただ、難しいのは、中には強烈な腹痛を起こすよな食べ物もあります。当時は、幸いぎりぎり食あたりはなく消化できたように思います。
このことが、その後の人間関係にある程度の耐性を付けてくれたように思います。
学生時代のように、好きな人、気の合う人、気遣ってくる人とだけ付き合うと、本人は楽かもしれせん。取引相手や職場には、信じられないすごい人がいます。
10人よれば、合わない人が必ずいます。そのたびに避けてばかりでは仕事ができません。
また、合わないという思い込みがある場合があります。第一印象で近づかない人もいます。
しかし、よく話してみるとなかなか奥が深い人もいます。長いつきあいになる人もいます。だから、何でも食べてみることが必要です。
希ですが、中には、一生つきあう親友ができる場合もあります。
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