5 処理場から眺めた気象考現学
処理場には、2つの仕事があります。ご存じのとおり、
(1)まず、多くの人が知っている下水をきれいにする機能を有しています。
(2)もう一つの重要な仕事として都市を浸水から守る仕事があります。
この2番目の話から、雨がいつも気になります。
以下は、科学的と言うよりも、個人的に感じたことです。
1 雨の移り変わり
台風や低気圧は、西からやってきます。
このため、関東地方で大雨が降るかどうかの予測は
西の地方の天気を気にしています。
九州⇒中国・四国⇒近畿⇒東海と降雨の状況がわかり
関東地方では、どのような対応をしなければならないか判断ができます。
雨量レーダが整備され現在でも、この感覚は変わりません。 九州の方は予測が難しいだろうと思います。
2 伊豆半島と富士山が砦
南西方向から進んでくる低気圧や台風は、大雨を降らしながら
関東に近づきますが、伊豆半島や富士山が屏風のようになり、伊豆半島では
降水量が非常に多くなります。
この結果、神奈川・東京では降雨量が少なくなり、減災されます。
ただ、千葉(房総半島)では、伊豆半島からはづれているため大雨が、降りやすくなります。
神奈川・東京の人は、伊豆半島に大いに感謝すべきです。
3 雨は、夜勤がすき
大雨の時間帯は、いつも夜中を越えて朝方に集中豪雨となる傾向があります。
たぶん気温が低下などから影響を受ける時間帯のような気もします。
深夜の電話で応援で呼び出されます。この時間帯は眠りが深い時間帯です。
豪雨の時はいつも、眠い目をこすりながら車を走らせ、排水施設の点検を行った記憶しかありません。
4 豪雨災害は記憶の外
日本各地で毎年、豪雨災害が発生しています。当時は、一度発生した豪雨災害は、
記憶から無くなるぐらいの期間でしか発生しない。一生で何度も発生するものでは
ないと、根拠はまったくありません。そう思っていました。
だから、被災された方々にインタビューすると異口同音に
「こんな経験は初めてです」と発言しています。
自然には、少し優しさ(天の配剤?)があって、同じ場所では災害を起こさないと考えていました。しかし、温暖化の
影響か現在はそんなことはなく、何度も同じ場所で豪雨災害が発生するようになりました。
5 洪水災害
各地の洪水災害は、毎年発生しています。堤防を乗り越える映像を見ていると自然にあがなえないものを感じます。
ただ、昔では、あまり起きなかった下流の各地の洪水発生は、温暖化の影響だけでなく
田畑の荒廃⇒保水能力低下⇒上流で洪水が発生⇒上流地区の堤防を高くする⇒中流域の洪水発生⇒中流域の河川改修で堤防高が上がる⇒下流の洪水発生
の悪循環もあるように感じます。自然の一部を改変できても、人智を軽々超えてきます。
もうひとつ、大雨が降ると予想され、設備の点検・準備をきちんとしていると意外と大雨はふらない。不思議です。
(番外編 マーフィーの法則)
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