水処理プラントの管理


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 設計・施工 (3 電気設備)

21 作ってはいけない現場盤



機器が交互運転するユニット機器に給水装置などがあります。
既製品の給水装置は図のように一体型になっています。
このような機器のユニットには計装コンプレッサなどもあります。
通常はコントロールセンタ等から電源給電だけで制御は行いません。

ユニットの盤には、交互運転、1台運転、故障表示ができるようになっています。
盤内には、電源が供給されており、MCCB、電磁接触器、制御シーケンス(制御基板など)が組み込まれています。



1台のポンプが故障した場合やメンテの際には、この盤で対象号機の MCCBをOFFにして作業を行うことになります。

ところで、プラント側で大型の給水装置を製作することがあります。
制御は通常の汚泥ポンプと同様にコントロールセンタで行います。制御回路も電気室のリレー盤で構築します。
特に問題なく作られます。



ここで、操作する現場盤の考え方で、問題が生じる場合があります。
汎用ユニット型と同じように操作する現場盤を製作したとします。



機能、自動運転ではどちらも同じで運転を行い支障がありません。

ただし、ポンプの1台で不具合・点検が必要になった場合を想定します。 例えば、交互運転しており、No.1を点検したい場合は、No.2に切り替えます。
(1)選択スイッチをNo.2切り替えます。
(2)ポンプ本体に触れる場合は、コントロールセンタのNo.1の電源をOFFにします。

この場合、ポンプの安全確保は、現場では、自動・手動が一つなので、コントロールセンタの電源OFFと No.2の選択スイッチとなります。

上記作業は、的確に行えば何ら危険がないように思われます。

しかし、人は「勘違いや間違いを犯す動物」です。

このため、電源OFFは2名での確認となります。
が、そんな悠長なことは言っていられず、作業が低圧負荷となるので大概ひとりで確認します。

また、コントロールセンタが設置されているのは遠い電気室となると試運転で往復回数が増えるとさらなる手抜きが発生することがあります。

また、試運転を繰り返す場合は、先発号機の切り替えに勘違いが生じることがあります。
やがて、
No.1の点検号機の試運転なのか。
No.2を自動運転しておくのか。
交互モードを通過してNo.2を選択するときにNo.1が運転しないように「手動」にしないといけません。
行ったり来たりします。このため、作業中、気をつけないと混乱することとなります。

「危険な兆候です」



やがて運転してはいけない時に、No.1を運転してしまうかもしれません。
このような現場盤を設けず操作に混乱を生じないように、現場盤には、手動・自動(又は機側・常用)は
「号機別」に設けておくことが必要です。



疑問
では汎用の給水装置のユニットを使用した場合は同様の問題はないのか。
作業場所の目の前に制御盤があります。盤内には電源供給及び制御ユニットがあるため、電源OFFに面倒が生じません。
電源を切ったり入れたりの面倒がありません。
同じような操作回路でも、他の作業員も確実に電源がOFFになっていることが共有できます。

ただ、個人的には、設備の思想に合わせて号機別であるべきとは思います。既製品なのであきらめています。




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