15 スキップホイストのリミットスイッチ
1 制御用のリミットスイッチ
沈砂池から除塵を地上のホッパに運搬する方法として、フライトコンベヤ、し渣圧送パイプやスキップホイストがあります。
今回は、スキップホイストの話です。
スキップホイストの運転停止の制御を行うのにリミットスイッチを利用しています。
このリミットスイッチの取り付け方法に2通りの体験があります。
(1)上限・下限のリミットスイッチを躯体に直付けする方式
(2)巻き上げ機の回転を減速してカムに取り付けたリミットスイッチで検出する方式
です。
これが、気になったのは、スキップホイストの更新前の設備がカムリミット方式で更新後がリミットスイッチ直付け方式となったためです。
機能的には、さほどの差があるように思えません。ただ現場で管理していくと差がでてきます。
リミットスイッチ直付け方式には以下の欠点があります。
(1)直付け場所付近は、ホイストからこぼれたし渣などを洗浄します。
このため、湿気の多い雰囲気となります。
防水タイプのリミットスイッチを使用したとしても錆などが発生しやすく固着の原因となります。
特に下限・上限超過位置リミットスイッチは常時動作するものではありありません。
このため、点検などを行わない限り確実に固着します。
(2)下限超過位置リミットスイッチがスキップホイスト停止中にもかかわらず誤動作することがたびたびありました。
原因として小動物(ネズミ)によるものと推察し、ネズミ対策用品を設置しました。
これに比較して、カムリミット方式の取り付け位置は、湿気の少ない場所に取り付けられており、上記のような原因で誤動作したことはありません。
残念ながら更新後の設備が全てよりよくなるとは限りません。
直付けのメリットとしては、設置初期からワイヤーロープに伸びが発生しても、停止位置で誤差を生じないことでしょうか。
2 点検扉のリミットスイッチ
スキップホイストの機器点検中は、自動でスキップホイストが動作させないようにするためのインターロック用です。
運転中に扉を開けると緊急停止します。
要注意
機側運転では、点検運転で必要な場合もあるため、インターロックを組んでいません。 現場機側盤の位置、連絡体制など特段の注意が必要です。
3 現場機側盤
現場機側盤は通常、下段、上段のフロアのどちらかに1面設置されます。
ただ、試運転など点検を行うのに、連絡が確実に行えない場合があります。
このため、上段、下段の2面を設置し、どちらでも機側運転可能とします。
選択スイッチはCSを上・下段に取り付けて両方で切替ができるのではなくあえて、COSを下段だけに取り付けることとしました。
ただ、作業中、やはり周知や操作禁止の札かけが必要です。
プレテンション加工ワイヤロープ
スキップホイストで使用するワイヤロープはプレテンション加工を行ったワイヤーロープを使用します。
これは、スキップホイストの位置ずれを小さくするための対応です。
なお、カムリミット式はプレテンション加工が施されていれば、稼働後に再度位置調整がほとんど必要ありません。
しかし、
スキップホイストのバケット重量・稼働回数によっては必要となる場合もあるかもしれません。
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