13 スペースヒーター
(1)スペースヒーターの役割
スペースヒーターは、
(a)高圧電動機や発電機の内部
(b)ゲート・バルブ類電子機器が収納されてるギアボックス内
(c)各現場盤、計装機器の変換器内等
等に設置されます。
目的としては、機器内の結露による腐食、基板の故障などの防止の役割で設置されます。
(2)スペースヒーターの現場感覚
現場盤などに入っているヒーターについては、湿気が少なく必要がない環境の場所もありスイッチが切られることもあります。
機上によっては省エネのためか、ヒーターがあちこちで切られてる場所もあります。
また、ゲート・バルブ類のように屋外や湿気の多い場所で使用されるため、ヒーター本体を切るスイッチのないものもあります。
(3)スペースヒーターの再認識
高圧機器(発電機、電動機)のスペースヒーターは、容量がある程度あるので補機電源としてコントロールセンタから給電されるケースが多いと思われます。
こちらのヒーターについても「入」・「切」の操作スイッチがありません。
動作としては、高圧機器が停止中は常時「入」となり運転すると「切」になるようにシーケンスが組まれています。

昔話ですが、
数年毎に行う自家発用発電機の絶縁抵抗の測定試験で「発電機の絶縁抵抗が低下しきていている」とのメーカーの指摘がありました。
このときの絶縁抵抗値は、緊急ではないのですが修理を行うレベルにまで落ちてきているようでした。

この中で、話題に上ったのが、かの「スペースヒーター」です。
日頃「入」・「切」について気にしていません。
上記で述べたように、高圧機器のスペースヒーターに「入」・「切」スイッチはありません。
ところが、コントロールセンタのスペースヒーターへの給電用MCCBが「切」となっていました。
なぜ「切」になっていたのか?それはいつからなのかの時期も不明です。(必須のメモやテプラの表示なし)
何となく省エネの一環だったのでは、との推測はできますが・・・。
製造メーカの話では、直接的な影響ではないが当時の高圧機器の絶縁に対しては長期的には影響が出る事があるとの話がありました。
その後、直接担当することはなかったのですが同発電機はオーバーホールを実施しそうです。後に聞いた話ではかなりの費用がかかったようです。
なお、「最近の絶縁については、スペースヒーターの「入」・「切」による劣化はほとんどない」と別のメーカー技術者から伺いましたが、
それ以来、各社に問い合わせたことはなかったので「最近とはどの辺なのか」がはっきりしません。
まだ、古い高圧機器を使用しているの処理場もあるのでスペースヒーターは、重要と認識しておいた方が良いと考えています。

写真は、別の同型で発電機スペースヒータの絶縁抵抗が低下しメーカー調査を実施したときのものです。
現場の表示
今回のようにコントロールセンタのMCCBが切られている理由が不明でしたが、通常は以下のようにコントロールセンタ、現場盤などに表示します。
点検や修理工事など長期に養生が必要な場合には、
(1)MCCB切り、ロックの鍵取り付け
(2)「操作禁止札」
(3)担当者名
(4)修理理由や期間
(5)施工企業
などの措置とわかりやすい表示が必要です。
ただ、日常点検などで故障を発見し、直ぐに細かい表示などができない時があります。
その際は、
(1)MCCBを切り
(2)常備されている「操作禁止札」を貼る
(3)応急的に絶縁テープなどにマジックで故障中、発見者名、日付など記入
の措置をします。
最低、「MCCBを切り」の後に「操作禁止札」と「名前」の表示があればいいのですが。
現場盤などでは「機側」モードにして絶縁テープなどで操作ができない旨、表示しておきます。
手間ですが後日、わかりやすい表記や張り紙に変更しておきましょう。
チームで仕事をしている以上「情報の共有化」は大変重要です。

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