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 故障・保守 (1 故障)

12 掻き寄せ機の腐食


掻き寄せ機の駆動装置は屋外に設置されたり、屋内でも接水部に近い場所との設置となります。
設置後、長期に使用される機械です。
掻き寄せ機を長持ちさせるのは、オイル交換や塗装など維持管理は欠かせませんが、
腐食を避ける対策も重要です。




写真は、屋外設置の場合です。大部分にカバーが設置されています。
こちらのカバーには、防臭対策もありますが主な目的はスプロケット等、回転部の安全対策となります。
初沈の場合、臭気対策で覆蓋されています。このため保護カバーの内部は下水の湿気により軸及び軸受けの部分が猛烈に腐食します。 (たぶん下水の湿気は硫化水素系ガスも少し含んでいる)
この掻き寄せ機は設置後、12年程度です。軸受けはもとより、軸が5ミリくらいポロポロとさびがはがれます。
その他の部分はシール部(油のにじみがある)を除いてほぼ健全です。
まだ、オーバーホールの計画はありません。




同じ時期に更新したものですが、カバーの取り付け位置で腐食が大幅に違います。
軸受けと保護カバーが密着していた機器ほど軸受け及び軸の腐食が激しい。
軸受けと保護カバーの間に15cmほどの隙間があると軸受け、軸とも腐食が軽減されています。

安全対策の目的では密着していた方がいいですが、腐食の進行度は大幅にちがってきます。
このことから保護カバーがないほうが腐食が進行せず、改善すると言うことでしょうか。



保護カバー内の腐食対策として2案を検討しました。

1案目は、防護カバーをステンレスメッシュカバーにして通風改善したものです。
ただ、腐食対策ですが、臭気対策ができていません。また、メッシュは、安全対策になっていないとどこからか指摘されそうです。
また、サイクロ減速機や軸受けには、一応屋根を設けました。



2案目は、既設と同様の防護カバーですが、カバー内の空気の流れを改善するために脱臭ダクトに吸引させる方法です。

こちらは、防護対策と臭気対策ができているので、こちらの方がいいのかもしれません。
カバーを外しやすくするために少し工夫がいります。



これで、てきめんに改善とは行きません。個人的には、腐食進行をかなり押さえられると考えています。
なお、世の中にはもっと優れたアイデアがあるかもしれませんが、個人的こはこの辺が限界でしょうか。




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