11 中央監視制御設備
1 中央監視制御設備の機能
中央監視制御設備では、以下の作業を行っています。
(1)各設備の操作
(2)各設備のコントローラ(CTR)への制御データの設定
(3)運転・停止、故障データの収集
(4)計装トレンドデータの収集
(5)各帳票データの収集・作成
2 中央監視制御設備の対策
(1)省力化のため対策
中央監視設備に集約されていますが、このため各設備の故障時の対策が重要です。
設備の故障が少ない現状でシステム系に故障が発生すると設備全体を把握したものでないと
対応が難しくなります。日頃からシステムを把握する努力が必要です。
①システムの冗長制
伝送路の2重化、コントローラの2重化、監視系の多重化
②分散化
各設備のコントローラの機能分散化
(2)操作表示のわかりやすさ
現在、操作対応の液晶ディスプレイ装置は、情報機器の進歩によりパソコン並の対応が可能
となっています。漢字対応、詳細表示等のマンマシン系の進歩が感じられます。
しかし、中身をみてみると基本骨格は30年以上変化していません。
故障が発生してメッセージが出ますが、それは30年前の英語が、日本語になっただけという
こともあります。確かに、故障項目数による制限はなくなっています。
さらなる、工夫が必要です。
(3)帳票の有効性
帳票には、日々のデータが出力されてきますが、その利用度には疑問が残ります。まだまだ工夫の余地
があると感じます。
中央監視制御設備の内部時計
中央監視制御設備の内部時計は、監視制御系の運転・停止の制御、トレンド・故障表示の管理などを行います。
また、帳票系は正時に帳票データを定期的に収集します。
このため、中央監視制御設備は共通の内部時計で運用されることになります。
ただ、中央監視制御設備によっては、内部時計は、閉じた時間で運用されている場合があります。
また、監視系、コントローラ系は同時間に修正されていますが、帳票系は別時間という中央監視制御設備もあります。
このため、時間経過とともに、監視制御や帳票の時間がずれていくこととなります。
内部時計が、許容範囲以上にずれると帳票データが収集できなくなったり、機器が指定した時間に動かなくなります。
このため、一定期間が来ると内部時計を手動で修正する必要が生じます。
むかし、これを改善するため設備更新に併せて帳票サーバーに時刻修正装置を取り付けました。
NHK-FMの時報で修正する方式です。
修正された時刻は、監視系、コントローラ系、帳票系を1日・1回(指定した時刻)に自動反映されます。
これにより、中央監視制御設備の内部時刻を気にする必要がなくなりました。
電波時計で時刻を修正する方式には以下の方法があります。
(1)長波(標準電波)で日本標準時を取得
(2)NHK-FMラジオの時報(880Hz)を検出し修正
(3)GNSS衛星経由で協定世界時(UTC)を取得
現在はGNSSが標準かもしれませんが当時は主流でなかったためNHK-FMの採用したように思われます。
よく思い出せないので間違っているかもしれません。
ところで、かなりの年数を経て、再度同処理場の管理を行うようになったときのことです。
暫くして監視系の内部時刻がずれることに気付きました。
FM電波で修正されているはずです。 ずれることはないはずです。
おかしいなと思い、調査を実施しました。
調査の結果、テレビ用のVHFアンテナが撤去されていることがわかりました。
地デジ化に伴い必要ないと思い撤去されたようです。
当時、VHFアンテナでFMも受信できたためFMアンテナあえて取り付けず共用していたのです。
後輩たちは、残念ながら仕組みを理解していなかったようです。
急遽、FMアンテナを購入し、設置することにしました。
今度は、時刻修正の装置に「テプラ」で仕組みを明記
|
|