水処理プラントの管理


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  制御 (送風機設備)

9 送風機設備


1 送風機制御

反応タンクへの送気方式として以下の制御があります。これに合わせて台数制御も同時に行います。


(1)圧力一定制御

設定された圧力と実測圧力を比較し、その偏差に従ってPI演算して、目標総風量を求め、 運転ブロワの容量に比例分配し、各ブロワ目標総風量とします。 この目標値と実送風量の偏差に従い、PI演算し(MVリミッタ付)、インレット弁の操作を行います。
なお、設定圧力は、反応タンクの散気装置の設置水深、損失等を考慮した適切な圧力にしないと、保守・故障で 送風機が停止した場合、反応タンクの空気を押し切れず、送風機が起動できないケースがあります。


(2)総風量一定制御

反応タンク風量調節弁の相互干渉防止や安定した空気量を確保するために 設定された目標総風量を、運転ブロワの容量に比例分配し 実送風量との偏差に従い、PI演算し(MVリミッタ付)、インレット弁の操作を行います。 設定値と反応タンクの要求量が違うと圧力が大幅に変動します。高くなる場合は注意が必要です。




(3)台数制御

送風機の台数制御の最適化は難しい問題です。
①年間の気温変化
②反応タンクの状況による要求風量による変化
③運転圧力による変化
等による変化があります。 これを加味した形で行う必要があります。
通常は、台数運転設定値に添って、要求風量が設定値を超えれば、増台運転、下回れば減台運転としています。 場合によって、夏冬、設定値を複数用意する場合もあります。
人が運転に介入すると台数運転の最適値を探せる部分があるため、AIとまではいかなくても、人の運転を模した制御ユニットの 開発があってもいいのかもしれません。
なお、要求風量により増台運転した場合には、要求風量を運転台数の定格能力に再度設定し直すようにします。そこから 要求風量を出発させないと「手動」運転等により、追加運転を控えていて要求風量が、高くなりすぎた場合、送風機をい きなり「自動」とした場合次々と送風機が運転されてしまい、送風機が暴れる原因になります。
なお,減台したときも同じ考えです。


(4)応答性

送風機のインレット弁のPI制御の応答性は、反応タンクの風量弁の応答より、かなり早くする必要があります。反応タンクの風量弁が急激に 絞られると、吐出圧力が急上昇することが考えられます。送風機が壊れることが無いように、PI制御定数の調整を行います。


(5)制御を行うのに必要な要件

①構造1 電油操作器弁 インレット弁(吸込弁)、放風弁(単段)
②計装 吸い込み風量、吐出圧力、ヘッダー管圧力、吸い込み温度、吐出温度
③構造2 電動弁 吐出弁


(6)評価

送風機の制御は、現在、圧力一定制御以外の制御が確立していない。送風機の台数制御が難しく 夏冬で設定が変わるなど課題が多い。処理場で電力量が一番多い設備でもあり検討が必要です。



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